
レセコン・医療システムを入れ直さず復旧―RAID障害のPRIMERGYを業務環境ごと再生
今回は、横浜市泉区の病院で使用されている、
富士通の業務用サーバ「PRIMERGY TX1320 M3」の修理・データ復旧をご依頼いただきました。
症状は、突然OSが起動しなくなったというものです。
このサーバには医療機関向けシステム「Medicom」シリーズをはじめ、
レセプト業務などに使用する複数の業務用ソフトウェアが導入されていました。
単純にデータだけを取り出せればよいわけではなく、今回のご希望は、
「できる限り起動できなくなる直前の状態へ戻し、今までの業務環境をそのまま使用したい」
というものでした。
診断の結果、RAID1を構成するHDDの一方に障害を確認。
状態の良いHDDを慎重に複製し、複製ディスクをベースにOSを起動可能な状態まで修復。
その後、改めてRAID1を構築し、病院で使用していた業務環境を復旧しました。
ご依頼のきっかけ:病院へ納品したサーバが起動しない
今回は、病院へシステムを納品されている業者様から、
インターネットを通じてお問い合わせいただきました。
対象となった機器は、富士通 Server PRIMERGY TX1320 M3。
病院内で使用されている業務用サーバで、
Medicomシリーズを含む医療・レセプト関連のシステムが導入されていました。
メーカー製の一般的なパソコンとは異なり、こうした業務用サーバでは、
OSを新しくインストールするだけでは元通りにならないケースがあります。
特に、導入業者によって構築された専用ソフトウェアやデータベース、個別設定などが多数入っている場合、
「データを取り出す」ことと「元の業務環境を使えるようにする」ことは別の問題です。
今回は後者が重要な案件でした。
症状:RAID1構成のPRIMERGYでOSが起動しない
お預かりしたPRIMERGY TX1320 M3は、2台のHDDを使用したRAID1構成でした。
RAID1は、2台のドライブへ同じ内容を保存することで、
1台に障害が発生しても運用を継続しやすくする仕組みです。
しかし、RAID1だからといって、あらゆる故障から自動的に復旧できるわけではありません。
今回診断したところ、HDDの片側に障害が発生しており、
さらに、もう一方のHDDについてもOSが正常に起動できない状態になっていました。
障害発生後の状態がRAID側にも反映された可能性があり、
単純に故障したHDDを新品へ交換してRAIDを再構築するだけでは、元の業務環境へ戻せない状態でした。
医療機関のサーバは「データだけ復旧」では足りないことがあります
一般的なファイルサーバであれば、Word・Excel・PDFなど
必要なファイルを取り出せれば業務を再開できることもあります。
しかし今回のような病院・クリニックのサーバでは、
レセコンや医療関連システム、データベース、各種設定などが相互に関係している場合があります。
新しいWindows環境へデータだけコピーしても、従来の業務ソフトがそのまま動作するとは限りません。
今回も、
「Medicomを含む業務用ソフトウェアを再構築することが難しい」
「可能な限り故障直前の環境へ戻してほしい」
という点が最も重要なご要望でした。
そこで当社では、最初からOSを入れ直すのではなく、
現在残っている環境をできるだけ生かして復旧する方針で作業を行いました。
当社の作業内容:正常度の高いHDDを複製してOS環境を修復
1.RAID構成と2台のHDDを個別に診断
まず、PRIMERGY本体とRAID構成、2台のHDDそれぞれの状態を確認しました。
RAID障害では、どちらのHDDにより新しく、正常な情報が残っているのかを見極めることが重要です。
状態を十分に確認せずリビルドや初期化を行うと、残っている情報まで書き換えてしまう可能性があるため、
慎重に診断します。
2.損傷の少ないHDDを複製
診断結果をもとに、損傷の少ないHDDから複製ディスクを作成しました。
元のHDDへ直接大きな変更を加えるのではなく、複製した環境をベースに修復を進めます。
業務用サーバやRAID機器では、元のディスクをできるだけ保全しながら作業することが重要です。
3.複製HDDからOSを起動可能な状態へ復旧
複製したHDDにはデータが残っていましたが、そのままではOSを正常に起動できませんでした。
そこで起動に必要な情報やシステム状態を確認しながら修復を実施。
最終的に、複製したHDDをベースとしてWindowsを正常に起動できる状態まで復旧しました。
4.Medicomなど従来の業務環境を確認
OS起動後は、単にWindowsのデスクトップが表示されるだけでなく、
従来使用されていた業務環境が残っていることを確認します。
今回は、再導入や再構築が難しい医療・レセプト関連の環境をできるだけ保持することが大きな目的でした。
5.RAID1を再構築
OSと業務環境を正常に起動できるところまで戻した後、改めてRAID1環境を構築しました。
これにより、単にHDDからファイルを取り出すデータ復旧ではなく、
サーバとして再び運用できる状態まで復旧することができました。
PRIMERGY・LSI Logic・MegaRAID構成のサーバもご相談ください
富士通PRIMERGYシリーズでは、機種や構成によってRAIDコントローラーや管理方式が異なります。
PRIMERGY TX1320 M3にも、構成によってLSI Logic系のMegaRAID RAIDコントローラーが
使用される環境があります。
そのため、「PRIMERGYが起動しない」という症状でも、HDD単体だけを見るのではなく、
RAID構成やコントローラー、OSの状態まで含めた切り分けが必要になる場合があります。
「MegaRAIDでエラーが出ている」
「RAID1の片側が故障した」
「HDD交換後にOSが起動しなくなった」
といった場合も、自己判断で初期化や再構築を繰り返す前にご相談ください。
RAID1でもバックアップは別に必要です
RAID1は、2台のHDDへデータを二重化することでHDD故障への耐性を高める仕組みです。
一方で、OSやファイルの破損、誤操作による削除などの問題まで防げるわけではありません。
また、一方のHDDに障害が出た状態で運用を続け、残ったHDDにも障害が発生すると、
RAID1であっても起動不能になることがあります。
病院・クリニック・事業所など、停止すると業務への影響が大きいサーバでは、
RAIDとは別に定期的なバックアップを取っておくことをおすすめします。
お客様のご感想
修理後、サーバは再び正常に起動し、従来の業務環境を使用できる状態まで復旧しました。
お客様からは、
「病院の基幹システムが入った業務用機器なので、大変助かりました」
とのお言葉をいただきました。
データだけではなく、これまで使用していた環境を可能な限りそのまま戻すことができ、
私たちも安心しております。
担当より:病院・クリニックの特殊な業務サーバもご相談ください
この度は、大切な業務用サーバの復旧を当社へお任せいただき、誠にありがとうございました。
電子カルテ、レセコン、医療用システムなどは、
基本的に導入へ携わったベンダー以外では構成や設定が分からず、
修理が難しいケースも少なくありません。
また、機器を交換しただけでは、専用ソフトウェアやデータベースを元通りにできない場合があります。
きむらパソコンでは、そのような特殊な環境についても、残っているOS・データ・設定を確認し、
元の環境を活用した修理が可能な場合があります。
- メーカーや導入業者の保守が終了している
- 病院・クリニックのサーバが突然起動しなくなった
- RAIDエラーが表示されている
- レセコンや業務ソフトを入れ直せない
- データだけでなく以前と同じ状態で使用したい
- 富士通PRIMERGY・MegaRAIDの故障を診断してほしい
このような場合も、まずは現在の状態をお知らせください。
富士通PRIMERGYをはじめ、病院・クリニック・法人で使用されているRAIDサーバの
修理・データ復旧をご相談いただけます。
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