
BitLocker回復キーがない、SSDも読めない―故障した元の基板を修理して大切な業務データを復旧
今回は、川崎市高津区諏訪のお客様より、
DELLのノートパソコン「Inspiron 7300」の修理をご依頼いただきました。
以前にも当社をご利用いただいたお客様からのリピートでのご相談です。
症状は、電源ボタンを押すとランプがオレンジ色に点灯するものの、
画面は真っ暗なままでWindowsが起動しないという状態でした。
お客様は当初、バッテリーの故障ではないかと考えられていました。
しかし診断を進めた結果、原因はマザーボード側の故障でした。
そして今回、通常の「電源が入らない修理」以上に大きな問題となったのが、
SSDにBitLockerが設定されているにもかかわらず、
BitLocker回復キーが確認できない状態だったことです。
仕事で使用している非常に重要なデータが保存されていたため、
初期化やデータを失う修理はできません。
そこで今回はデータを最優先に考え、故障した元のマザーボードそのものを修復。
正常にWindowsを起動できる状態まで戻し、
保存データと従来の使用環境をそのまま復旧することができました。
ご依頼のきっかけ:以前の修理に続いて再度ご相談
今回のお客様には以前にもきむらパソコンをご利用いただいており、
パソコンが突然起動しなくなったため再度ご相談いただきました。
対象機種は、DELL Inspiron 7300。
業務で日常的に使用されているパソコンで、
内部には仕事上必要となる重要なデータが多数保存されていました。
そのためご要望は、
「パソコンを直すこと以上に、データを消さないことを最優先にしてほしい」
というものでした。
症状:オレンジのランプは点灯するが画面は真っ暗
電源ボタンを押すとランプはオレンジ色に点灯しますが、
液晶画面には何も表示されず、Windowsも起動しません。
お客様はバッテリー故障を疑われていましたが、
「ランプがつく・画面が映らない」という症状だけで原因を判断することはできません。
電源系統、バッテリー、メモリ、マザーボードなどを切り分けて診断した結果、
今回はマザーボードの故障が原因と判断しました。
最大の問題は「BitLocker回復キーがわからない」こと
マザーボードが故障しているだけなら、
「SSDを取り外して別のパソコンにつなぎ、データだけ取り出せばよいのでは?」
と思われるかもしれません。
しかし今回は、それが簡単にはできませんでした。
SSDにはWindowsの暗号化機能であるBitLockerが設定されていたためです。
BitLockerは、パソコンを紛失したりSSDだけを取り外されたりした場合でも、
中のデータを第三者から守るためのセキュリティ機能です。
今回のお客様はBitLockerの回復キーを把握されておらず、
Microsoftアカウントにも使用できる回復キーを確認できませんでした。
つまり、
SSDには大切なデータが残っているものの、
BitLockerで暗号化されているため別のパソコンから簡単には読み出せない
状態でした。
BitLocker回復キーがないと、なぜデータ復旧が難しい?
BitLockerの回復キーは、通常48桁の数字です。
Microsoftアカウント、職場・学校のアカウント、印刷した用紙、USBメモリなどに
保存されている場合があります。
しかし、どこにも回復キーが残っていない場合、
Microsoftから新しい回復キーを再発行してもらうことはできません。
一般的には、回復キーが見つからず、元の環境で自動的にBitLockerを解除できない場合、
データを保持したまま復旧する難易度が大きく上がります。
今回は重要な業務データが最優先でしたので、Windowsの初期化や再インストールは行いませんでした。
マザーボード交換ではなく「元のマザーボードを修理」する理由
ここが今回の修理で最も重要なポイントです。
BitLockerでは、通常の起動時にTPMなどのセキュリティ機能を利用して、
暗号化されたドライブを自動的に解除する構成があります。
そのため、マザーボードなど重要なハードウェアが変更されると、
BitLockerが回復キーを求める場合があります。
今回のように、
「マザーボード故障+BitLocker有効+回復キー不明+データ最優先」
という条件が重なると、単純なマザーボード交換が適さない場合があります。
そこで今回は、元のマザーボードを生かしたまま故障箇所を修復し、
元のPC環境から正常起動させるという方法を選択しました。
回復キーが見つからず、元のハードウェア環境からの自動解除に依存しているケースでは、
元の基板を修復することが、大切なデータへ再びアクセスするための重要な選択肢になることがあります。
当社の作業内容:データ最優先でマザーボードを基板修理
1.バッテリーだけでなく電源系統を診断
まず、お客様が疑われていたバッテリーを含め、電源入力や内部の各回路を確認しました。
「電源が入らない」という同じ症状でも、
ACアダプター、バッテリー、電源回路、マザーボードなど原因はさまざまです。
診断の結果、今回はマザーボード側に異常があることを確認しました。
2.BitLockerの状態とデータ復旧方法を確認
次に重要なのが、内部SSDに保存されたデータです。
SSDにはBitLockerが設定されており、使用できる回復キーを確認することができませんでした。
そこで、SSDだけを取り出してデータ復旧するのではなく、
元のPCそのものを正常起動させることを目標にしました。
3.元のマザーボードを基板修理
故障しているマザーボードについて、基板レベルで故障箇所を切り分け、修復作業を行いました。
データが最優先のため、安易なマザーボード交換やWindowsの初期化は行いません。
今回のようなケースでは、「パソコンを直すための修理」が、
そのまま「暗号化されたデータへ戻るためのデータ復旧」になることがあります。
4.元のWindows・データを保持したまま正常起動
基板修理後、パソコンは再び正常に起動しました。
Windowsへアクセスできることを確認し、
お客様が必要とされていた業務データもそのまま残っていました。
結果として、大切なデータを復旧したうえで、
パソコン本体も以前と同じように使用できる状態まで戻すことができました。
「SSDを抜けばデータを取り出せる」とは限りません
パソコンのマザーボードが故障していても、
SSDそのものが正常であればデータは残っている可能性があります。
しかし、BitLockerが有効なSSDでは、別のパソコンへ接続しても暗号化された状態です。
そのため、
「SSDは壊れていないから大丈夫」
「マザーボードだけ交換すればよい」
とは限りません。
データが必要な場合は、マザーボード交換や初期化を行う前に
BitLocker回復キーの有無を確認することが非常に重要です。
BitLocker回復キーがわからないときに、まず確認したい場所
回復キーがわからない場合は、まず次の場所を確認してください。
- Microsoftアカウント
- 職場・学校のMicrosoftアカウント
- BitLocker設定時に保存したファイル
- USBメモリ
- 印刷して保管した回復キー
- 法人PCの場合は社内のシステム担当者
ここで回復キーが見つかれば、修理やデータ復旧の選択肢は大きく広がります。
一方、回復キーが見つからず、さらにパソコン本体が故障して起動できない場合は、
元のマザーボードを修復する方法を検討できるケースがあります。
BitLocker回復キー不明+電源が入らないパソコンもご相談ください
きむらパソコンでは、単純なデータコピーだけでは対応できない
BitLocker暗号化PCの故障についてもご相談いただけます。
- パソコンの電源が入らない
- 電源ランプだけ点灯して画面が映らない
- マザーボード故障と言われた
- BitLocker回復キーがわからない
- Microsoftアカウントにも回復キーがない
- SSDを取り出したがデータを読めない
- メーカー修理ではデータが消えると言われた
- 仕事のデータを最優先で復旧したい
このような場合は、初期化やマザーボード交換を行う前に一度ご相談ください。
故障状況とBitLockerの状態を確認し、
データを残せる可能性を優先した修理方法をご提案いたします。
持込修理・全国からの配送修理にも対応
きむらパソコンでは、川崎・横浜・東京の各店舗への持込修理だけでなく、
遠方からの宅配・配送修理にも対応しています。
「近くに基板修理までできる店がない」
「BitLockerがあるため通常のデータ復旧店で断られた」
「メーカーへ出す前にデータを残せるか診断してほしい」
といった場合もご相談ください。
お問い合わせ:BitLocker・マザーボード修理について相談する
宅配修理:全国対応のパソコン配送修理
データ復旧:パソコンのデータ復旧について詳しく見る
お客様のご感想
基板修理後はWindowsが正常に起動し、大切な業務データも以前の状態で確認できました。
お客様からは、
「データが戻ったうえに、パソコンも元通り使用できる状態になって本当に助かった」
とお喜びいただきました。
業務環境を一から作り直すことなく、元の状態へ戻すことができ、私たちも安心しております。
担当より:BitLocker回復キーは故障する前に必ず保管を
この度も、きむらパソコンをご利用いただき誠にありがとうございました。
今回は、マザーボード故障だけでなく、
BitLocker回復キーが確認できないという条件が重なったため、
非常に慎重な対応が必要となりました。
BitLockerは大切なデータを守ってくれる機能ですが、
回復キーがわからない状態でパソコン本体が故障すると、
データ復旧の難易度が大きく上がります。
今後はMicrosoftアカウントに回復キーが保存されていることを確認し、
可能であれば別の安全な場所にもバックアップしておくことをおすすめします。
「電源が入らない」
「BitLocker回復キーがわからない」
「SSDを取り出したがデータが読めない」
「メーカーからマザーボード交換と言われたがデータを残したい」
といった場合も、部品交換や初期化を行う前にご相談ください。
引き続き安心してご利用いただけるよう、
お困りごとがございましたらいつでもサポートいたします。
