お役立ちコラム

パソコンの動作が遅い9つ原因と今すぐ試してみたい対処法

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「パソコンの動作が遅くなった」「原因と対処法を教えてほしい」などと考えていませんか。
作業を効率よく行えないため、困っている方は多いでしょう。
パソコンの動作は、さまざまな原因で遅くなります。
たとえば、メモリの不足やHDDの故障などが考えられます。

ここでは、パソコンの動作が遅い原因と今すぐ取り組める対処法を紹介しています。
以下の情報を参考にすれば、トラブルを効率よく解決できます。

パソコンの動作でお困りの方は参考にしてください。

パソコンの動作が遅い原因

パソコンの動作が遅くなる主な原因として以下のものがあげられます。

【動作が遅くなる原因】

  • HDDのスペック不足や故障
  • メモリの不足
  • 汚れによる冷却機能の低下
  • 多くのソフトウェアの起動
  • セキュリティ対策ソフトの影響
  • スタートアップアプリの影響
  • インターネット回線の速度低下
  • Wi-Fiの速度低下
  • ウイルス感染

ここでは、これらの原因について詳しく解説します。

HDDのスペック不足や故障

HDD(ハードディスクドライブ)のスペック不足で、パソコンの動作が遅くなる場合があります。
HDDは、OSやアプリ、データなどを保存する記憶装置です。

具体的には、プラッタと呼ばれる金属製のディスクにデータを記録します。
スピンドルモーターで回転させたプラッタに、磁気ヘッドを近づけてデータを読み書きする点がポイントです。

プラッタの回転数は製品により異なります。
1分間に5,400回転(5400rpm)するものや7,200回転(7,200rpm)するもの、10,000回転(10,000rpm)するものなどがあります。
回転数の増加にともない、データを読み書きするスピードは速くなります。

したがって、HDDのスペックがパソコンの動作に関係するのです。
HDDの故障で、パソコンの動作が遅くなることもあります。
具体例としてあげられるのが、プラッタ、スピンドルモーター、磁気ヘッドの経年劣化です。

たとえば、プラッタの表面が劣化すると、正常に読み書きできなくなるためパソコンの動作は遅くなります。
あるいは、強い衝撃による磁気ヘッドの破損なども考えられるでしょう。

HDDは使用により徐々に劣化し、最終的には動作を停止します。
内蔵型HDDの寿命は一般的に3~4年とされています。

スペック不足や故障などでHDDの読み書きスピードが低下すると、アプリを立ち上げるのに時間がかかったり、画面が固まったりすることがあります。
パソコンの動作が遅い場合は、HDDの状態に注意が必要です。

メモリの不足

メモリ(RAM)の不足も、パソコンの動作が遅くなる原因になりえます。

メモリは、HDDなど(ストレージ)から読み込んだデータを、CPUが処理するために一時的に保管しておく場所です。
この働きから、CPUの作業台に例えられることがあります。
「作業台」が狭いと、一度に多くのデータを扱えません。

メモリが不足する場合は、使用していないメモリの内容をHDDなどへ一時的に移動させるスワップを行います。
この処理により、実際のメモリ容量より大きなメモリ空間を確保できる点がポイントです。

ただし、HDD(メモリよりアクセス速度が遅い)などを使用するため、スワップが頻繁に発生するとパソコンの動作は原則として遅くなります。
HDDなどのストレージに大きな負荷がかかることも注意すべき点です。
寿命を短くする要因となることがあります。

メモリの不足は、Webブラウザで大量のタブを開いているときや動画編集ソフトを使用しているときなどに起こりやすいでしょう。
メモリの使用状況は、タスクマネージャーから確認できます(Windowsの場合:Windowsマーク上(あるいはタスクバー)で右クリックを押してタスクマネージャーを選択)。

パソコンの動作が気になる場合は、メモリの使用状況にも注意が必要です。

汚れによる冷却機能の低下

汚れで冷却機能が低下することも、パソコンの動作が遅くなる原因になりえます。
CPUなどが一定の温度以上になると、自動で性能を制御するサーマルスロットリングを行うためです。

具体的には、温度を上昇させないようにクロック周波数を下げるなどが行われます。
クロック周波数はCPUの処理速度を示す値で、高いほど処理能力も向上します。
したがって、サーマルスロットリングが働くと、パソコンのパフォーマンスは低下するのです。

このような事態をできるだけ避けるため、各パソコンメーカーは冷却機能を設けています。
しかし、パソコンの状態によっては、設計通りに冷却機能が働かないことがあります。
気をつけたいパソコンの使用方法は以下の通りです。

【気をつけたいパソコンの使用方法】

  • 冷却ファンの羽根に汚れが付着している
  • ヒートシンクにホコリが溜まっている
  • 通気口にホコリが溜まっている

汚れは、冷却機能を妨げる主な原因といえるでしょう。
サーマルスロットリングはパソコンの熱暴走を防ぐ重要な機能ですが、稼働すると性能を制御するためパソコンの動作は遅くなります。
動作が気になる場合は、パソコンの温度や冷却機能にも注意が必要です。

多くのソフトウェアの起動

複数のソフトウェアを同時に起動すると、パソコン動作の低下につながる恐れがあります。
リソースが不足して、処理が追いつかないためです。
ソフトウェアの起動にともない、プログラムなどがメモリに読み込まれます。

複数のソフトウェアを同時に立ち上げると、メモリが不足するためスワップ(メモリの内容をHDDなどへ一時的に移動させる処理)が行われます。
HDDなどはメモリに比べると遅いため、パソコンの動作も遅くなるのです。

同様に、CPUにかかる負担も大きくなります。
CPUは複数のタスクを完全に同時処理できず、高速で切り替えることで並行処理を実現しています。
したがって、ソフトウェアを同時に立ち上げると、処理能力が分散されてそれぞれの動作が遅くなってしまいます。

また、ストレージにかかる負担も増大します。
ソフトウェアの立ち上げに必要な情報を、ストレージから読み込まなければならないためです。
磁気ヘッドでデータを読み込むHDDは、影響を受けやすいといえるでしょう。

以上の理由などで、複数のソフトウェアを同時に起動すると、パソコンの動作は遅くなります。
具体例として、Webブラウザ、画像編集ソフト、オフィスソフトを同時に立ち上げるなどが考えられます。
パソコンのスペックが低い場合は特に注意が必要です。

セキュリティ対策ソフトの影響

セキュリティ対策ソフトの影響で、パソコンの動作が遅くなることもあります。
よくある例として、パソコンの起動に時間がかかることがあげられます。

基本的な原因は、他のプログラムの前にセキュリティ対策ソフトが立ち上がって、膨大な量のファイルをチェックするためです。
パソコンの動作全般が遅くなったように感じることも少なくありません。

このケースの原因は、常駐プログラムとしてバックグラウンドで動作し続けるためと考えられます。
具体的には、リアルタイムでファイルを開く際に安全性を確認したり、インストール中のアプリをスキャンしたり、ネットワークを監視したり、定義ファイルを更新したりします。

これらの作業にメモリを使用するため、パソコンの動作が遅くなるのです。
また、スキャンを実行すると、HDDなどのストレージにも大きな負荷がかかります。
この影響で、パソコンの動作が遅くなることもあります。

特に、システムドライブをスキャンすると影響を受けやすいでしょう。
パソコンの動作が急に遅くなった場合は、ウイルス対策ソフトで設定した定期スキャンのスケジュールを確認するとよいかもしれません。

スタートアップアプリの影響

スタートアップアプリの影響で、パソコンの動作が遅くなることも考えられます。
スタートアップアプリは、パソコン起動時に自動で立ち上がるアプリです。
複数が同時に立ち上がると、CPUに負荷がかかるため動作が遅くなってしまいます。

また、それぞれのアプリがメモリを使用するため、パソコンのスペックによってはスワップが発生します。

HDDなどのストレージにアクセスが集中する点も見逃せません。
処理が追いつかないと、待ち時間が発生してアプリの立ち上がりが遅くなります。

クラウドへの同期やプログラムの更新が行われる点もポイントです。
これらの影響で、パソコンの動作やインターネット回線の速度が遅くなることもあります。

スタートアップアプリの魅力は、立ち上げの手間を省けることです。
ただし、登録数が多いとパソコンに過度な負荷をかけてしまいます。
起動に時間がかかる、動作が遅いなどと感じている場合は、スタートアップアプリの設定を見直すとよいでしょう。

インターネット回線の速度低下

インターネット回線の速度低下も、パソコンの動作が遅いと感じる原因になりえます。
パソコンの処理能力に関係なく、動作が遅いと感じる点がポイントです。

具体的な影響の例として以下のものがあげられます。

【速度低下の影響】

  • Webページの表示に時間がかかる
  • 動画を再生すると途中で止まる
  • OSやアプリの更新処理に時間がかかる

Webブラウザでネットサーフィンをしているときや動画を視聴しているときなどに、問題を感じやすいでしょう。

パソコンの動作が重いと感じる主な理由は、インターネット回線を通じて画像や動画などを読み込んでいるためです。
通信障害などで回線速度が低下すると、データのやり取りに時間がかかってしまいます。

したがって、パソコンの動作が遅いと感じるのです。
パソコンそのものにトラブルが発生していなければ、Webページの表示などに時間がかかる場合であってもオフラインの操作は問題なく行えます。

つまり、オフラインの操作を問題なく行える場合は、インターネット回線の速度が低下している恐れがあります。
原因がわからない場合は、無料で利用できるインターネット回線のスピードテストを利用するとよいかもしれません。

Wi-Fiの速度低下

同様に、Wi-Fiの速度低下も、パソコンの動作が遅いと感じる原因になりえます。

インターネット回線とWi-Fiの違いは以下の通りです。

種類 概要
インターネット回線 有線でインターネットに接続する通信回線。自宅や会社に回線を引き込んで、インターネットに接続する
Wi-Fi デバイスをインターネットに無線で接続する通信技術。複数のデバイスを同時に接続できる

 

Wi-Fiの速度が低下した場合も、データのやり取りに時間がかかります。Webページを表示できなかったり、動画が途中で止まったり、OSやアプリの更新に時間がかかったりするため、パソコンの動作が遅いと感じるのです。

あるいは、クラウドサービスを快適に利用できないこともあるでしょう。インターネットに無線で接続するWi-Fiは、周辺環境の影響を受けやすい傾向があります。

具体的には、以下の影響などが考えられます。

【周辺環境から受ける影響】

  • 別のWi-Fi機器と電波干渉を起こす
  • 電子レンジなどの電化製品と電波干渉を起こす
  • 建物の壁や天井などが通信の妨げになる

これらの影響で、通信速度が低下したり、通信が途切れたりすることがあるのです。

Wi-Fiの速度が低下している場合も、パソコンに問題が発生していなければ、オフラインの操作は快適に行えます。
トラブルが生じている場合は、できることとできないことを整理するとよいでしょう。
有線LAN接続に切り替えると、Wi-Fiが問題を引き起こしているか確かめられます。

ウイルス感染

ウイルスに感染することも、パソコンの動作が遅くなる原因になりえます。
具体的な影響はケースで異なりますが、作業に使用できるリソースが減ってしまうためです。

たとえば、バックグラウンドでウイルスが動作し続けて、CPUに大きな負荷をかけるなどが考えられます。
一例としてあげられるのが、仮想通貨の不正マイニングです。

あるいは、ウイルスがファイルを勝手に作成したり、複製したりして、パソコンに負荷をかけることもあります。
読み込みや書き込みが増えるため、パソコンの動作に影響が現れます。
また、ウイルスに感染すると、通信速度に異変を感じることも少なくありません。
感染を拡大させるなどの目的で、大量のデータを外部へ送信するためです。

インターネット接続に大きな負荷がかかるため、Webページの表示に時間がかかったり、動画をうまく再生できなくなったりすることがあります。
ちなみに、ウイルスの感染経路はさまざまです。

主な感染経路として、以下のものがあげられます。

【感染経路】

  • 改ざんされたWebサイトの閲覧
  • メールの添付ファイル
  • メール、SNSに記載されたリンク
  • 不正なアプリ
  • 外部記憶媒体

ウイルスに感染すると、パソコンの動作が遅くなる以外にも、さまざま影響が現れます。
被害を軽減するため、適切な感染対策を講じておくことが重要です。

パソコンの動作が遅い場合の対処法

続いて、パソコンの動作が遅いときに検討したい対策を紹介します。

スタートアップアプリを削除する

パソコンの起動に時間がかかる場合は、スタートアプリの設定を見直します。

具体的な作業の手順は以下の通りです。

【Windows11|スタートアップアプリの設定】

  1. Windowsマークをクリックして「設定」を選択する
  2. 「アプリ>スタートアップ」の順に進む
  3. 表示されたスタートアップアプリを確認する
  4. 不要なアプリのスイッチを「オフ」に切り替える

【Windows10|スタートアップアプリの設定】

  1. Windowsマークをクリックして「設定」を選択する
  2. 「アプリ」を選択する
  3. 「スタートアップ」をクリックする
  4. 表示されたスタートアップアプリを確認する
  5. 不要なアプリのスイッチを「オフ」に切り替える

オン・オフで迷うときは、各アプリの影響度(スタートアップへの負荷)を参考にするとよいでしょう。

「影響度:大(高)」と表示されているものは、パソコンの速度に大きく関わっていると考えられます。
ただし、必要性の高いアプリをオフにすると、作業に支障が生じます。
具体的な影響を考えて、スタートアップアプリを決定することが大切です。

常駐プログラムを削除する

不要なアプリを減らすことも、パソコンの動作の安定化につながります。

アンインストールの基本的な流れは以下の通りです。

【Windows11|アンインストールの流れ】

  1. Windowsマークをクリックする
  2. 「設定」を選択して「アプリ>インストール済みアプリ」へ進む
  3. アプリ一覧の中から不要なアプリを探す
  4. 該当するアプリ見つけて「その他>アンインストール」を選択する

【Windows10|アンインストールの流れ】

  1. Windowsマークをクリックする
  2. 「設定」を選択して「アプリ>アプリと機能」へ進む
  3. アプリ一覧の中から不要なアプリを探す
  4. 該当するアプリを選択して「アンインストール」をクリックする

これらの方法以外でも、不要なアプリを削除することはできます。
詳しい方法は、Microsoftの公式ページでご確認ください。

出典:Microsoft「Windows でアプリとプログラムをアンインストールまたは削除する」

使用頻度にかかわらず、必要性の高いアプリもあります。
日々の作業に影響を与えることもあるため、よく検討してから削除するアプリを決定しましょう。

メモリを増やす

メモリの増設も、パソコンの動作を改善する方法のひとつです。
パソコンにとっての「作業台」が広くなるため、負荷の高い作業を効率よく行えるようになります。
具体的には、複数のアプリを快適に操作できる、動画編集アプリ使用中にフリーズしなくなるなどが考えられます。

メモリの容量を確認する方法は次のとおりです。

【Windows11で確認する方法】

  1. Windowマークをクリックする
  2. 「設定」を選択して「システム」へ進む
  3. 画面を下にスクロールして「バージョン情報」を選択する
  4. 「実装RAM」を確認する

【Windows10で確認する方法】

  1. Windowsマークをクリックする
  2. 「設定」を選択して「システム」へ進む
  3. 「詳細情報」を選択する
  4. 「実装RAM」を確認する

増設できるメモリの容量、メモリを増設する方法などはパソコンで異なります。
自分で作業を行うこともできますが、パソコンケースを開けて内部に触れるため、十分な注意が必要です。
静電気で故障することや汚れが付着して正常に動作しなくなることも考えられます。
不安を感じる場合は、無理をせずに専門の業者に依頼しましょう。

また、自分でメモリを増設すると、メーカーの保証対象外になることがあります
メーカー保証を受けられる場合は、この点についても確認が必要です。

HDDから不要なファイルを削除する

HDDの空き容量が少ないと、パソコンの動作は遅くなる恐れがあります。
一時的なデータの保管場所を確保しにくくなるためです。

パソコンの使用期間が長くなると、いつの間にか不要なファイルが溜まります。
気がつくとHDDを圧迫していることもあるでしょう。
このようなケースで検討したいのが、HDDから不要なファイルを削除することです。
空き容量を増やして、パソコンの動作を改善できる可能性があります。
具体的な方法として、ディスククリーンアップがあげられます。

作業の基本的な流れは以下の通りです。

【Windows11|ディスククリーンアップの方法】

  1. タスクバー上の「エクスプローラー」を選択する
  2. 「PC」をクリックして、ディスククリーンアップの対象になる「ドライブ」を選択する
  3. メニューを開いて「クリーンアップ」を選ぶ
  4. 空き領域の計算が始まる
  5. 「システムファイルのクリーンアップ」を選択する
  6. 削除するファイルが表示される
  7. 削除したくないファイルのチェックを外す
  8. 「OK」をクリックする
  9. 「ファイルの削除」をクリックする

【Windows10|ディスククリーンアップの方法】

  1. タスクバー上の「エクスプローラー」を選択する
  2. 「PC」をクリックして、ディスククリーンアップの対象になる「ドライブ」を選択する
  3. 「ドライブツール」タブをクリックして「クリーンアップ」を選択する
  4. 空き領域の計算が始まる
  5. 「システムファイルのクリーンアップ」を選択する
  6. 削除するファイルが表示される
  7. 削除したくないファイルのチェックを外す
  8. 「OK」をクリックする
  9. 「ファイルの削除」をクリックする

ファイルの削除でパソコンの動作が劇的な改善は見込めませんが、基本的な対策のひとつとして実施する価値があります。

ウイルスチェックを実施する

感染したウイルスの影響で、パソコンの動作が遅くなっていることも考えられます。

被害の拡大を防ぐため、ウイルスチェックを実施することが大切です。
セキュリティ対策ソフトを導入している場合も油断はできません。
どのような製品であっても、すべてのウイルスに対応することはできないためです。

参考に、ウイルスチェックを行う際に意識したいポイントを紹介します。

【意識したいポイント】

  • ライセンスの有効期限を確認する
  • 事前にウイルス定義ファイルの更新を行う

ウイルス定義ファイルは、ウイルスのデータを登録したファイルです。
検査対象と同ファイルを照らし合わせて感染の有無を判断します。
新しいウイルスが常に誕生しているため、ウイルスチェックを行う前にウイルス定義ファイルを更新しておかなければなりません。
未登録のウイルス(まだ発見されていないウイルス)を検知できない点もポイントです。

具体的なウイルスチェックの手順は、ウイルス対策ソフトで異なります。
ちなみに、Windowsに標準搭載されているMicrosoft Defenderも優秀なセキュリティ対策ソフトです。

ウイルスと脅威の防止、アカウントの保護、ファイアウォールとネットワーク保護などの機能を備えています。
原則として、無料で利用できる点も魅力です。

インターネット環境を改善する

通信速度が遅い場合は、インターネット環境を改善するとパソコンの動作が速くなったように感じられることがあります。
ファイルの読み込みや同期などにかかる時間を短縮できるためです。

また、通信の安定性が増すことで、特定の時間帯になるとWebページの読み込みが遅くなる、動画がカクつくなどのトラブルも防げる可能性があります。

インターネット環境を改善する具体的な取り組みは以下の通りです。

【インターネット環境を改善する取り組み】

  • 契約プランを切り替える
  • プロバイダを変更する
  • ルーターを交換する

最大通信速度が速い契約プランやプロバイダに切り替えると、ファイルの読み込みなどにかかる時間を短縮できる可能性があります。
ルーターの規格によっても、最大通信速度は異なります。

インターネット環境を改善したい場合は、これらに注意することが大切です。
ただし、契約プラン、プロバイダ、ルーターを変更しても、パソコンの性能は変わりません。
したがって、動作が速くなるのは通信をともなう作業だけです。
原因を見極めてから、行うことが大切といえるでしょう。

通信が一時的に不安定になっている場合は、ルーターの再起動によって状況を改善できることがあります。

パソコンを再起動する

パソコンの再起動も、動作が遅いときに試してみたい対策です。
長時間使用していると、必要のないデータがメモリに残ったり、キャッシュデータが溜まったりすることがあります。
バックグラウンドで動作するアプリが増えて、CPUなどに負担がかかる点もポイントです。

また、アプリなどのエラーが、動作に影響することも考えられます。
パソコンを再起動すると、メモリがリセットされるとともに、アプリなどのエラーも解消される可能性があります。
不要なアプリを停止できる点もポイントです。

したがって、再起動によりパソコンの動作が速くなる可能性があります。
パソコンの動作が遅い場合は、シャットダウンではなく再起動を選択することが大切です。

Window10、Windows11では、起動時間を短縮する高速スタートアップが初期設定で有効になっています。
便利な機能ですが、シャットダウンするときに保存したシステム情報を起動時に読み込むため、必要ないデータや不具合が引き継がれることがあります。

トラブルの対策として実施する場合は、シャットダウンではなく再起動がおすすめです。
Windowsの再起動は、スタートメニューから行えます(Windowsマーク>電源>再起動の順で選択)。

タスクマネージャーを起動する

パソコンの状態を確認したい場合は、タスクマネージャーを活用できます。
タスクマネージャーは、動作しているプログラムやパフォーマンスなどを確認・管理するツールです。
パソコンの動作が遅い原因を特定したり、正常に動作していないアプリを終了させたりすることができます。

タスクマネージャーを起動させる方法は以下の通りです。

【タスクマネージャーを起動させる方法(Windows11、10共通)】

  • Windowsマーク(またはタスクバー)の上で右クリックを押して「タスクマネージャー」を選択する
  • 「Ctrl、Shift、ESC」を同時に押す
  • 「Ctrl、Alt、Delete」を同時に押してから「タスクマネージャー」を選択する
  • 「WindowsキーとX」を同時に押してから「タスクマネージャー」を選択する

手間をかけずに起動させたい場合は「Ctrl、Shift、ESC」を同時に押すとよいでしょう。
これらのボタンを押すだけで立ち上がります。

タスクマネージャーでは、CPUやメモリなどの使用率が高いプロセスを特定したり、不要なタスクを終了したりすることができます。
パソコンの動作が遅い場合は、操作後に現れる変化を確認するとよいかもしれません。

アップデートする

OSのアップデートで、パソコンの動作が改善することもあります。
パフォーマンスの低下を招いていた不具合を修復できるためです。
また、アプリに対応するOSのバージョンになることやシステムが最適化されることで動作が速くなることも考えられます。

OSのアップデートは原則として自動で行われますが、何かしらの理由で自動アップデートを停止している場合は忘れずに行うことが大切です。
参考に、Windowsでアップデートする方法を紹介します。

【Windows11|アップデートの方法】

  1. Windowsマークをクリックして「設定」を選択する
  2. 「Windows Update」をクリックする
  3. 「更新プログラムのチェック」を選択する
  4. 「今すぐダウンロード」をクリックする(自動でインストールが始まる場合もあります)
  5. インストール完了後に「今すぐ再起動する」をクリックする

【Windows10|アップデートの方法】

  1. Windowマークをクリックして「設定」を選択する
  2. 「更新とセキュリティ」をクリックする
  3. 「Windows Update」を選択する
  4. 「更新プログラムのチェック」をクリックする
  5. インストール完了後に「今すぐ再起動する」をクリックする

何かしらの理由でアップデートが途中で終わると、パソコンの動作に影響が現れる恐れがあります。
再起動まで確実に行うようにしましょう。

初期化する

以上の対策を試しても状況が改善しない場合は、パソコンの初期化を検討するとよいかもしれません。
ここでいう初期化は、パソコンを工場出荷時の状態に戻すことです。

主なメリットとして以下の点があげられます。

【初期化のメリット】

  • インストールしたアプリを取り除ける
  • パソコン内のデータを取り除ける
  • パソコンの設定をリセットできる
  • システムの不具合を修復できる
  • 感染しているウイルスを取り除ける

以上の結果、処理速度の向上と動作の安定を期待できます。
参考に、初期化の方法を紹介します。

【Windows11|初期化の方法】

  1. Windowsマークをクリックして「設定」を選択する
  2. 「システム>回復」へ進む
  3. 回復オプションの「PCをリセットする」を選択する
  4. 「すべてを削除する」を選択する
  5. 「ローカル再インストール」を選択する(「クラウドからダウンロード」を選択することもできます)
  6. 追加の設定を確認して「次へ」をクリックする
  7. 「リセット」をクリックする
  8. 初期セットアップ画面に従い設定を行う

【Windows10|初期化の方法】

  1. Windowsマークをクリックして「設定」を選択する
  2. 「更新とセキュリティ」をクリックする
  3. 「回復」をクリックして「開始する」を選択する
  4. 「すべて削除する」を選択する
  5. 「ローカル再インストール」を選択する(「クラウドからダウンロード」を選択することもできます)
  6. 表示内容を確認して「次へ」をクリックする
  7. 表示内容を確認して「リセット」をクリックする
  8. 初期セットアップ画面に従い設定を行う

初期化を行うと、パソコン内のデータが失われるうえ、再設定も必要になります
また、ハード面に問題がある場合は、大きな効果を期待できません。
メリット・デメリットを踏まえて検討することが大切です。

対処法を試しても改善しない場合

以上の対処法を行ってもパソコンの動作が改善しない場合は、次のいずれかを選択するとよいでしょう。

【検討したい対策】

  • パソコンを買い替える
  • 修理業者へ依頼する

これらの対策について詳しく解説します。

パソコンを買い替える

さまざまな対策を実施しても動作が遅い場合は、パソコンの買い替えを検討しましょう。
パソコンが寿命を迎えている可能性があるためです。

古いパソコンは、CPUやメモリの性能が低いため、現在の環境に対応できません。
また、ハードウェアの劣化も進んでいます。
パソコンを買い替えると、これらの問題をまとめて解決できます。
パソコンの買い替えは、動作を改善する効果的な対策といえるでしょう。

買い替え時に意識したい主なポイントは以下の通りです。

【買い替え時に意識したいポイント】

  • 用途に適したスペック
  • 利用シーンに適した形態(デスクトップ型、ノート型など)
  • パソコンの重量、バッテリー駆動時間
  • モニターのサイズ(インチ)
  • オフィスソフトの有無
  • パソコンのOS

パソコンの動作が気になる場合は、スペックにこだわってみてはいかがでしょうか。
CPUを選ぶときは、モデル、世代、コア数、スレッド数などをチェックすることが大切です。

メモリは、8GB以上(負荷の高い作業を行う場合は16GB以上)あるとスワップ処理を減らせるため、快適に操作しやすくなります。
ただし、買い替えにはまとまった費用がかかるうえ、再設定やアプリの再インストール、データ移行も必要となります。

慣れないOSやインターフェースで、一時的に作業効率が落ちることも考えられます。
大きな変化が生じるため、慎重に検討してから買い替えることが大切です。

修理業者に依頼する

修理を依頼することで、動作を改善できる場合があります。
主なメリットは以下の通りです。

【メリット】

  • 買い替えより費用を抑えられる
  • ケースによっては即日対応してくれる
  • 原則としてパソコンのデータを保護してくれる
  • メーカーを問わず修理してくれる

一部のパーツを交換するだけで、パソコンの動作が劇的に改善することもあります。
費用を抑えやすい点は、修理業者へ依頼する大きなメリットです。
また、現在の設定やデータも、原則として維持されます。
ケースによっては、買い替えよりもメリットが大きいといえるでしょう。

ただし、古いパソコンは、修理をしても別の問題が生じる恐れがあります。
パーツが廃版になって、修理が難しくなることも考えられます。
これらを踏まえて、検討を進めることが大切です。

修理を行う場合は、業者選びにも気をつける必要があります。
修理業者を選ぶ際にチェックしたいポイントは以下の通りです。

【チェックポイント】

  • 修理業者の実績
  • 対応しているパソコンの種類
  • 修理の受付方法(店頭持込・出張引取・配送)
  • 修理にかかる日数
  • データを保護してくれるか

信頼できる修理業者に依頼したい方は、年間5,000件以上の実績がある「きむらパソコン」にご相談ください。

パソコンの動作を遅くさせないために普段からできること

パソコンを快適に使用するため、普段から以下の3点を意識することが大切です。

【意識したいこと】

  • 定期的にデフラグを実施する
  • ディスククリーンアップを実施する
  • 同時に複数のアプリの起動しない

これらの点について解説します。

定期的にデフラグを実施する

HDDを使用している場合は、デフラグを定期的に実施しましょう。
デフラグは、ファイルを並び替えて整頓する作業といえます。
以下の理由で、ファイルがバラバラになってしまうためです(=ファイルの断片化)

【ファイルが断片化する理由】

  1. 保存と削除を繰り返すうちに空き領域が細切れになる
  2. 細かな空き領域にあわせて、新たなファイルを書き込む

この状態を放置すると、読み込みや書き込みをするときに磁気ヘッドを何度も動かさなければならない(移動距離が長くなる)ため、パソコンの動作が遅くなります。

したがって、定期的にデフラグを実施する必要があるのです。
参考に、デフラグの実施方法を紹介します。

【デフラグの手順(Windows11、10共通)】

  1. Windowsマークをクリックする
  2. 検索窓に「ドライブ」と入力する
  3. 「ドライブのデフラグと最適化」を表示する
  4. 対象となるドライブを選択して「最適化」をクリックする
  5. デフラグが実施される
  6. 完了してから「閉じる」をクリックする

Windows10以降では、デフラグを自動で行うように設定されています。
手動で行っても、劇的な変化を感じられないことがあります。
SSDは、断片化が起こりにくいためデフラグは原則として不要です。
書き込み回数に上限があるため、デフラグを行うと寿命を縮めてしまう恐れがあります
SSDを最適化したい場合は、デフラグではなくTrimを実施しましょう。

ディスククリーンアップを実施する

ディスククリーンアップも、定期的に実施したい取り組みです。
不要なファイルを削除して空き容量を増やせるため、パフォーマンスを維持しやすくなります。
パソコンを使用していると、一時ファイルやログファイルなど、必要性の低いデータが蓄積します。

主に、これらのファイルを削除する機能がディスククリーンアップです。
基本的な実施方法を改めて紹介します。

【Windows11|ディスククリーンアップの方法】

  1. タスクバー上の「エクスプローラー」を選択する
  2. 「PC」をクリックしてディスククリーンアップの対象になる「ドライブ」を選択する
  3. メニューを開いて「クリーンアップ」を選ぶ
  4. 空き領域の計算が始まる
  5. 「システムファイルのクリーンアップ」を選択する
  6. 削除するファイルが表示される
  7. 削除したくないファイルのチェックを外す
  8. 「OK」をクリックする
  9. ファイルの削除をクリックする

【Windows10|ディスククリーンアップの方法】

  1. タスクバー上の「エクスプローラー」を選択する
  2. 「PC」をクリックしてディスククリーンアップの対象になる「ドライブ」を選択する
  3. 「ドライブツール」タブをクリックして「クリーンアップ」を選択する
  4. 空き領域の計算が始まる
  5. 「システムファイルのクリーンアップ」を選択する
  6. 削除するファイルが表示される
  7. 削除したくないファイルのチェックを外す
  8. 「OK」をクリックする
  9. 「ファイルの削除」をクリックする

一般的には、2~3カ月に1回程度のディスククリーンアップが勧められています。

同時に複数のアプリの起動しない

複数のアプリを同時に立ち上げないことも大切です。
大量のメモリを消費したり、ネットワークが混雑したりする恐れがあります。

作業を終えたアプリ、使っていないアプリを閉じるようにすると、パソコンの動作は安定しやすくなります。
不要なアプリは、以下の方法で閉じられます。

【アプリをまとめて閉じる方法(Windows11、10共通)】

  1. タスクバーから「タスクビュー」を選択する
  2. 現在、開いているアプリの一覧が表示される
  3. 2の画面で不要なアプリを閉じる

タスクビューは「Windowsキー+Tabキー」でも表示できます。

パソコンの動作が遅いときは専門業者に相談

ここでは、パソコンの動作が遅い原因と具体的な対処法を解説しました。

主な原因として、メモリの不足、スタートアップアプリの影響などがあげられます。
パソコンを再起動したり、スタートアップアプリを削除したりすることで動作を改善できる可能性があります。
効果を実感できない場合は、修理業者に相談しましょう。

きむらパソコンは、業界トップクラスの技術力で、年間5,000件以上のパソコントラブルに対応している修理業者です。
98%以上を自社内で修理しているため、コストを抑えつつ迅速に対応できます。
パソコンの動作でお困りの際は、専門業者への相談をご検討ください。

きむらパソコンの修理の流れ

きむらパソコンではお客様のご要望に合わせ、持込修理、出張修理、宅配修理の3つの修理方法を用意しております。ご希望の修理方法をお選びください。

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