大切なデータが保管されているパソコンやスマートフォンのデータが突然見られなくなってしまったり、パソコン自体に不具合が起こってしまったりするケースは少なくありません。このような場合、データを復旧させるために業者に依頼することを考える方も多いでしょう。
しかし、データのなかには業者に見られては恥ずかしいデータや個人情報などが含まれており、「業者にデータを見られてしまうのではないか」「個人情報を盗まれてしまうのではないか」と気になる方もいるのではないでしょうか。そこで本記事では、業者にデータ復旧を依頼した場合、中身を確認されることがあるのかを解説します。
データ復旧業者に復旧を依頼しようと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
データ復旧や修理の際に中身は確認される?
修理を依頼するパソコンやスマートフォン、デジタルカメラなどのなかには、家族や友人との写真やメールアドレス、クレジットカードの情報などの重要なデータが入っています。データが見られなくなった場合や動かなくなってしまった場合、データ復旧業者や修理業者に依頼することを考える方が多いでしょう。
しかし、そこで気になるのは、そのデータが見られる心配がないのかということ。ここでは、データ復旧や修理を依頼する業者ごとに、中身は確認されるのかどうかを詳しく解説します。
データ復旧業者に依頼するケース
データ復旧業者に依頼する場合、基本的にデータの中身を確認せずに作業を進めます。データ復旧業者は、私たちが普段データを見るときのように、ファイルを開いて確認しながら復旧をするわけではありません。業者は、パソコン画面上のファイルそのものではなく、別のところからアプローチするため、データの中身を見ることはないのです。
さらに、データ復旧業者は日々多くの復旧作業をこなしており、すべてのファイルを一つずつ確認する時間的な余裕がないというのが事実です。このため、データ復旧業者に大切なデータを見られてしまう心配はほとんどないといえるでしょう。
ただし、業者によってファイルを開いてデータが復旧できたか確認するところもあります。特に、依頼時に復旧してほしいファイルを具体的に指示した場合、そのデータが復元されているかをチェックするため、例外的にデータを見るケースもあります。
もちろん、業者がデータを確認したからといって、悪用したり外部に漏らしたりすることはほとんどありません。しかし、それは信頼できる業者の場合です。悪徳業者に依頼してしまうと、データが復旧できないどころか、データ漏洩のリスクもあります。
信頼できる業者を選ぶ際は、セキュリティ対策や個人情報保護法の方針がしっかりしているかを確認しましょう。他に、信頼できる業者を選ぶポイントとして挙げられるのは、以下のとおりです。
- 公式サイトでセキュリティ対策やプライバシーポリシーについて記載している
- プライバシーマーク・ISOといった認証を取得している
口コミや実績なども確認しておくと安心です。また、見積もりを取る場合は、複数社から取得しましょう。1社のみしか見積もりを取らないと、金額の妥当性を判断できないからです。疑問点がある場合は質問し、丁寧に応えてくれる業者を選びましょう。
悪徳業者に依頼するケース
データ復旧や修理を依頼した業者が悪徳業者の場合、ファイルを見られてしまう恐れがあります。それどころか、個人情報を抜き取られるケースもあります。その他、悪徳業者に依頼した場合の被害事例は、以下のとおりです。
- 十分なデータが復旧できないうえ、当初の予定以上の費用を請求された
- データが復旧できなかったが、固定作業費の返済は一切できないと言われた
- デバイスがさらに悪い状態になって返却された
- 相場を超える金額を請求された
- 見積もりにない追加料金を請求された
また、悪徳業者の特徴としては、以下のようなものが挙げられます。
- 必要以上に不安を煽る
- 「データ復旧率99%!」「必ず復旧」などの誇大なアピールをしている
- 復旧実績や事例など具体的な根拠を公開していない
- セキュリティ対策をしていない
- 「期間限定で〇〇円値引き」など大幅に値引きする
悪徳業者は「早く作業しないとデータが消えてしまう」のように不安を煽る言葉をかけ、強引に契約させようとする傾向にあります。また、実績が掲載されていないのにもかかわらず、データ復旧率99%など、誇大な宣伝をしている場合も悪徳業者の可能性が高いといえます。
大切なデータが取り出せないと焦る気持ちもあるかもしれませんが、まずは落ち着いて公式サイトや口コミを確認し、実績のある業者に依頼しましょう。
メーカーに修理を依頼するケース
データ復旧や修理をメーカーに依頼した場合、中身は確認される心配はありませんが、データの復旧は期待できません。そもそも、データ復旧業者とメーカーは、行っている修理の目的が根本的に異なるからです。
データ復旧業者はデータの復旧を目的にしているのに対し、メーカーは、故障した機能を回復させることに重点を置いています。データを復旧させようと修理に出した場合、データが保管されている部品が交換され、データが取り出せなくなる恐れもあります。また、データの消去は行わなかったとしても、初期化されて戻ってくるケースも少なくありません。
そのため、基本的にメーカーでは、修理を出す際にバックアップを取るよう求められます。メーカーではファイルの中身を見られる心配はないものの、データ自体が消えてしまう恐れがあるということを理解しておきましょう。
データ復旧ソフトを使用する方法
データの復旧時に業者に見られたら恥ずかしいと思う場合は、データ復旧ソフトを利用するのがおすすめです。データ復旧ソフトとは、誤って削除してしまったデータを復旧させるソフトウェアを指します。
ソフトを利用すれば、業者に依頼するよりも安価にデータ復旧ができる可能性があります。データ復旧ソフトの一般的な使い方は、以下のとおりです。
- データ復旧ソフトをダウンロードする
- データ復旧ソフトをダブルクリックして実行する
- 復旧したいデータを選ぶ
- 復元実行ボタンをクリックする
- 復元したデータの保存場所を選択して保存する
インターネットを検索すると、無料のものから数万円の有料商品までさまざまなソフトが出てきます。データ復旧ソフトを選ぶ場合は、以下のポイントを意識しましょう。
- 過去の復旧実績を確認する
- 口コミを確認する
- サポート体制があるかを確認する
- 復旧したいデータの復旧が可能なソフトかを確認する
データ復旧ソフトは、種類によって使い方はもちろん、対応OSや復旧できる範囲が異なります。また、サポート体制の有無も異なるため、口コミや実績なども確認しつつ、自身の目的に合ったものを選びましょう。
データ復旧ソフトは業者に依頼するよりも安く復旧できる可能性はあるものの、必ず復旧できるわけではありません。それどころか、データ復旧ソフトの利用により、症状が悪化してしまうリスクもあります。
そのため、復旧したいデータの重要性とソフト利用によるリスクを十分に考慮したうえで、使用するかを判断しましょう。
特に、データが見られなくなった原因が、経年劣化や水没、結露、衝撃など「物理障害」の場合、データ復旧ソフトで復旧するのは難しいといえます。データが見られなくなる原因は、先述した物理障害以外に、「論理障害」というものがあります。
論理障害とは、システムファイルの破損や不具合により、正常に動作しない状態です。データ復旧ソフトで復旧できるのは、論理障害のみ。データが見られなくなった原因が物理障害の場合、データが記録されている媒体を分解したり、専門の器具を利用したりしなければならないため、専門の業者に依頼した方が良いでしょう。
データ復旧に関するよくある質問
データ復旧に際し、よくある質問について詳しく解説します。大切なデータを復旧したいと考えている方は、こちらの質問も参考にしてください。
Q.データを確認せずにどのように復旧する?
パソコン上で、データの保存されているファイルは階層構造(ツリー構造)で管理されており、データ復旧業者は、この階層構造からアプローチします。具体的な手順は、以下のとおりです。
- データがどのように保存されているか(ファイル構造)を調べる
- サンプルを取り出しどこに不具合があるのかを検証
- ファイルの階層構造をチェックし、データ復旧作業を行う
ファイルの階層構造をチェックする際には、ファイル名が表示されるものの、すべての中身を確認するわけではありません。また、フォルダやファイル名ではなく、サイズを確認して開けるかどうかを確認する場合が多い傾向にあります。
ファイルが壊れている場合、ファイル名があっても「0kB」と表示されている可能性があり、この表示からファイルが正常かどうかを判断しています。このように、復旧業者は一つひとつファイルを開くわけではないため、データを確認される心配は少ないといえるのです。
Q.復旧するデータに違法な内容が含まれていたら?
復旧するデータに違法なものが含まれている場合、復旧依頼を辞退される可能性が高いでしょう。データ復旧業者も法違反に巻き込まれ、罰則の対象となる恐れがあるからです。
基本的に、業者はデータの中身を見ることはありませんが、作業中にファイル名やフォルダ名が目に入る場合があります。名前から違法と判断されれば、契約解除や最悪の場合、通報といった対応が取られることもあります。
違法とされるデータは、以下のとおりです。
- 児童ポルノ・盗撮データ
- 著作権侵害に当たるデータ
- 違法ダウンロード・コピーしたデータ
これらのデータは違法のため、本来所持していてはいけないものです。例えば、児童のわいせつな画像は所持しているだけでも違法となり、1年以下の懲役または100万円以下の罰金が課されます。
万が一、違法性が疑われるようなデータを依頼する場合は、その旨を業者に連絡しておいたほうが良いでしょう。
Q.復旧を依頼すると個人情報を盗まれる?
基本的に、信頼できる業者に依頼すれば個人情報を盗まれることはありません。ただし、悪徳業者に依頼すると個人情報を盗まれる恐れがあります。それどころか、相場以上の費用を請求される恐れもあります。
自分のデータを守るため、また、安心して復旧を依頼するためにも、業者が信頼できるかどうかをしっかり見極めましょう。
データ復旧を依頼するならきむらパソコンにご依頼ください
データ復旧を業者に依頼した場合、信頼できるところであれば基本的にデータを見られて恥ずかしい思いをする心配はありません。しかし、万が一悪徳業者に依頼してしまうと、データを盗まれたり不当に高い金額を請求されたりする恐れがあります。
一方で、メーカーに修理を依頼する場合、主な目的は故障した機能を回復させることなので、データ復旧は期待できない可能性が高いといえます。大切なデータを復旧したいなら、信頼できる業者かどうかを確かめたうえで、依頼するようにしましょう。
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